anasian’s diary

ある、アジア人の日常、ふと思う事など、徒然なるままに

節電

震災の後、福島第一原発の事故があり節電を余儀なきされた夏は記憶に新しいところ。
「冬も節電」といいながら、関東圏でもそれほど切羽詰っている感じはしません。

ところが、原子力発電の停止に伴う火力発電の燃料費高騰ということで、東京電力は電気料金の値上げを企んでいるようです。
産業界では既に先行値上げが進行しつつあり、電力の不安定な需要により国内産業の海外流出の危機も叫ばれています。

本当にそうなのでしょうか?

ひとつ疑問があるのですが、そもそも電力の需要は一日の中で一定ではなく、平日は日中が需要多く、夜間は少なくなります。
これは人間が起きて活動しているときに電気を使い、寝ているときは使わないという当たり前の理由であり、夜間操業している工場は別として産業界でも同じだと思います。

とすると、節電を行うのは主に平日昼間に行うことを指し、出来るだけその部分を夜間にシフトすることが効率的かつ有効な電力資源の使い方になると思います。
現に、震災後の夏の節電は、昼間に行われました。

ところが、東京電力の一般家庭向けの電気メニューは変化ありません。

通常の従量式の価格は、
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これは一日の中でどこで電気を使っても価格の変化は無く、1ヶ月にどれだけ使うかのみで課金されるシステムです。

一方、夜間主に電気を使う人向けには、
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このようなメニューが存在し、昼間は従量式にくらべて割高だけれど、夜間は割安な電気を使うことができます。

また、オール電化などの家向けに、
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このメニューは、昼間と夜間をもう少し細かくして、使い勝手を上げたものです。

ただし、これらのメニューの欠点は、土日祝の取り扱いです。
大多数の人は土日祝がお休みだと思いますが、上記のようなメニューだと昼間に割高な電気代がかかってしまいます。

本当に節電し、需要の切迫する平日昼間の電気をセーブし夜間にシフトするためには、電力消費をシフトするためには、平日昼間の電気料金を上げる代わりに夜間の電気料金を下げ、お休みの日にはむしろ割安な料金体系にすることではないでしょうか?

洗濯、食器洗い、暖房など夜間にシフトできる余地は十分あり、今後電気自動車などが普及してきたときには夜間電力で充電できればますます効率が上がると思います。(確か現在のシステムでは電気自動車の充電も夜間電力が使えないと聞いたことがあります。)

結局、東京電力と政府の本音は、
原子力発電は企業としておいしいので、今の世論をうまくだまして継続運用に持っていきたい。
原発事故による賠償金、福島第一原発廃炉費用などがあるので、電力料金を値上げして原資を確保したい。

ということだと結論せざるを得ません。

個人的な意見としては、東電は一度解体し、役員はすべて解雇、送電と発電を分離して新たなスタートを切らせ、発電については新規参入を促すべきだと考えます。
過去にアメリカで電力が不安定になった事例が引き合いに出されますが、アメリカではその反省からスマートグリッド http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89
が浸透してきており、日本も早急に導入しないといけない機能だと思います。

だまされてはいけません。