anasian’s diary

ある、アジア人の日常、ふと思う事など、徒然なるままに

努力

3連休の中日、市民祭りで地元のお祭りに参加。といってもお神輿などを担ぐわけではなく、餅つきです?

うーん、子供が通う保育園のバザーに協力するため、ここ10年餅つきをしていますが、そろそろメンバー的にもベテランの域に達してきました。

少し素人ながら餅つきのウンチクを。
まず、餅つきは餅を作るのが目的ですが、幾つかの段階と役割があります。

まずは米を研いで、水につけておく。
これは大量の餅つきを数人で行う場合は前日からの仕込みになります。
当日はお湯を沸かし、米を蒸す作業から始まります。

この役割を「むし」と呼びますが、餅の出来具合に重大な影響がある反面、地味で繊細な加減が必要な仕事。
成り手が少ない役割です。
米が蒸しあがると、少しもち米を食べて出来加減の判断をするのですが、そのまま食べるわけではないので、少し表面が硬いくらいでオーケー。芯が無ければつく段階で潰れて問題ありません。逆に無視すぎるともち米がベトベトになってしまい、いい餅になりません。

次の段階は、「こね」と「かえし」です。知らない人は蒸した米をそのままペッタンペッタンとつくと思う人がいますが、コネという作業をしないとつく度に米が飛び散っていつまで立っても餅にならないでしょう。

コネは私たちの場合、二本の杵を使って、コネコネともち米の粒を潰していきます。

これが地味だけど大事でかなりの重労働。今回私はペアを組んだお父さんとの6~7回、連続でやったのですが、最後はかなり手の握力がなくなってきて辛かったです。
しかもこれはやった人でないと分からない重労働。
そして次の「つき」に比べると地味で目立たない作業です。

でも、この「こね」で半分くらいもち米を餅にしてしまうと言っても過言ではありません。ひたすら米をすりつぶすのですが、その方法は、臼を中心に2人が正対し、両手で固定した杵で端から中心に向けて杵を押し付け、餅をすりつぶしていきます。
ここで大事なのが2人のタイミング。バラバラにやるのではなく、声を掛け合って同時に杵を押します。
今回、改めて思ったのが息の大切さ。毎回違う人とコネをやると、なかなか息が合わないのですが、連続でやることによりとても効率良く出来ました。

もうひとつコネで大事なのは餅を冷まさないこと。大ベテランの方に指摘されたのですが、こねてる内に米が臼の中心で盛り上がってきてしまうのですが、そうすると餅の表面積が増えて冷めやすくなるのです。
餅つきの間中、餅は常に高温を保たないとうまい餅になりません。
出来るだけ表面積を減らすように盛り上がっている部分を抑えながらコメをこねていきます。

もう一つの要素は水。
米が餅になっていくと粘り気が出てきて杵にくっつき始め、うまくこねることが出来ません。
杵をバケツに入れたお湯につけて水を加えるのですが、その時に「かえし」と呼ばれる人にしゃもじでくっついた餅をとってもらいます。
また、カエシの役割の人は、餅の状態を見ながら臼の隅にへばりついたご飯を臼の中心に戻したり、適時水を追加したりします。
でも、これがなかなか難しく、私たちの 男性のコネは臼の周りを回転しながらコネていくため、タイミングをはかるのがなかなか難しい。

こうして、コネが終わるといよいよ「つき」です。
これは色々なやり方があるようですが、私達はオーソドックスにつき手が1人にかえし手も1人です。

ペッタンペッタンとついていきますが、やはりタイミングが大事。
怪我をしないためにもつき手とかえし手が息を合わせなければうまくいきません。
私達の場合、かなりパワーを要するつき方で、かなり重量のある杵を使い短時間につき上げる事を目標にしています。これはやはり仕上がりを良くするため、餅の温度が冷めないようにするためです。

つき方はとにかく餅の中心めがけてつくこと。餅は杵のあたる衝撃で潰れ、熱を発生します。
くれぐれも臼やかえし手に当たらないように。

かえし手も大変な仕事で、熱々の餅に手水を加えながら、つきによって臼の真ん中に空いた空間に周りの餅を寄せていかなければいけません。
返しについてはいっぱいウンチクがあるようですが、私はやったことがないのであまり語れません。一言言えるのは、私はあの熱さの餅を素手でさわれないので絶対に返しできないです。
返しをやってくれてる女性に感謝です?

餅がつきあがったら少しお湯を入れたボールにうつして完成。
適当な大きさに切って、アンコやきな粉、からみもちにして販売します。

今回、餅つきのことを書こうと思ったのは、実はこの後の役割のこと。
最初に書いたとおり、私たちの餅つきは子供の通う保育園の財政を補うためバザーとしてボランティアしています。もち米から大根、アンコなど、材料はすべて親たちの持ち寄りです。

販売はお祭りに来てくれた市民のみなさん。約6個入りの餅をパックにして300円で販売します。つきたてのモチがワンパック300円は安いでしょう?

通る人達に販売するのですが、売り子の役割をしてくれる人も必要です。
あるお父さんが毎回参加してくれるのですが、彼は片手に障害があります。普段はとてもうまく生活しておられて、何かと一緒に作業をしている中でもほとんど彼の障害には気づきません。
今回、餅つき後の慰労会で酒を飲んでいる時、彼から餅つきはさすがに出来ないんだと言われてハッとしました。
蒸し、は別として、確かにコネ」も「ツキ」も杵をしっかりと両手で握る必要があり、片手で無理です。
だから彼は販売に注力して、必死に声を出してるんだと言ってました。
確かに彼は時間中、ずっと大声でお客さんを捕まえてくれてました。

私は彼が本来なら来たくないであろう餅つきのイベントに積極的に参加してくれ、自分に出来ることを精一杯にやってることに感動しました。上記の役割に、「ウリ」も追加です。
普通の会社だったら一番肝になる役割。
おろそかには出来ません。

果たして自分が同じ立場だったら出来るかなー?
自分に問いかけたら????????

こうして今回の餅つきは、色々な経験と教訓を残して終わりました。
残ったのは軽い二日酔とい重い筋肉痛です。
ほろ酔いとともに、連休二日目は終わりました。