anasian’s diary

ある、アジア人の日常、ふと思う事など、徒然なるままに

どくしょかんそうぶん …もどき

ひさびさに読書しました。
宮部みゆき著、「楽園」

模倣犯」の続編のような、そうでないような。
登場人物がすこし重なりますが、別の話しになってます。イメージ 1

テーマはいくつかあるのですが、一番目の重いテーマは「親による子供の殺害」
といっても、昨今のニュースでよく流れる、幼児への虐待ではなく、中学生になって素行の悪い娘を親が手にかけてしまうという内容。
しかも、それが発生したのは14年前。

2010年に刑事訴訟法が改正になったので、少し古い情報になると思いますが、「時効成立のあと家事で家が焼け、娘の遺体を床下に埋めていたことを自白した」という事実が話の元になっています。

最後に、夫婦がなぜ娘に手をかけたのか?というところが明らかになるのですが、やはり少し納得できないものを感じました。

幸せなことに、我が家は今のところそれほどグレた子供の出さずにやっています。
(子供たちがどう思っているかはわかりませんが…)

でも、いくら子供が不良化しても、それは自分の子供。
なんとかしてやりたいと思うのが親だと思います。
ましては自分で殺してしまうということは想像だにできず。
娘を連れ出して悪の道に誘い込んでいる男に対しても最後は従属してしまう情けなさ。
自分の子供に手をかけて、その罪を15年も背負うのであれば、その男を殺して刑務所に入る道を選べないのだろうか?と思ってしまうのは、想像の中だけだからでしょうか?

でも、もう一人の娘のことを優先してしまうのもまた人の心。
色々と自分の身に置き換えて考えてしまう小説でした。

宮部みゆき、すごい作家だと思います。
まだ未読の小説があるので、読んでみようかな。