anasian’s diary

ある、アジア人の日常、ふと思う事など、徒然なるままに

サービスマーケティング

忙しい1週間でした。

海外のサービスセンターから、「サービスマーケティングマネージャー」というタイトルの人が来日しており、私の管理部門を中心に日本の状況について市場調査していきました。
4日間、ずっと一緒にすごし(変な意味ではありません)、多くの情報を交換することができました。

外資系の会社で完全な子会社なのですが、情報は限られており、比較的情報共有をしているわが部署でも、やはり直接会って話すことの意義は大きいことを改めて実感しました。
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関係のある人たちの去就や、現在のビジネスの状況、その方向性など、文書として書かれて配信される情報では伝えられないものは多いです。

仕事に関してはいろいろと考えさせられることが多かったです。
かなり専門的な分野ですが、「いかに医療機器を購入していただいたお客様の満足度を上げるか?」
ということが究極のテーマです。

今までの日本の医療機器業界では、
「買っていただいたお客様にはアフターサービスを無償で提供する」ということが定番のサポートでした。
これはある意味で、新興国の状況では正義になります。
まずはお客様に自社の製品を選んで購入してもらわなければならず、「アフターサービス無償」は魅力的なオプションになります。
現実に、中国などではこの方針を採らざるを得ず、サービス部門の売上げについては全く見込める状況ではないようです。
ただし、日本の場合は状況が異なります。
国民皆保険制度を採用しているため、医療提供者(病院)がどの設備を購入するかは自由ですが、そこにかかる費用は最終的には保険料を払っている国民と、患者様が負担することになります。
もし、製品の費用にアフターサービスの費用や、ドクターへのプレゼント代、ゴルフ代などが含まれていたらどうでしょうか?それらはすべて医療費の高騰につながり、高齢化社会の日本の財政を直撃してしまいます。

日本では何年も前にこのような問題が指摘され、医療におけるビジネスのルールが決められました。
基本、販売の明細は透明化が必要で、機器代、サービス費用などは明確化する必要があります。

実際は長年の習慣もあり、グレーゾーンが多々存在し、アフターサービスの費用についてはさまざまな議論をつど行っているのが現状です。

私自身はサービス部門管理者として、
①アフターサービスの費用は有償であるべきである。
②会社方針として許されるのであれば、利益は求めず、必要な経費のみで価格を決定する。
③「できるだけ安く」と同時に、「できるだけ早く」を追求し、お客様が安心して継続的に製品を使用できるようにする。
ことを目標にしています。
現在の会社では上記の方針でいろいろな改革を進めていますが、やはり社内、社外が抵抗はあります。

営業は常にアフターサービスの無償提供を求めていますし、お客様は目先の修理代を払うことに抵抗を示します。
ただし、アフターサービスを無償にするということは、エンジニアの人件費など必要経費をどこから捻出するかということが問題になります。サービスビジネスで収入がなくなると、それはすべて製品の価格に転嫁され、製品価格の高騰をまねき、それは営業とお客様の不利益につながります。

こうしたことをいかに説明し、理解してもらうかが今の仕事の大切な一部になっています。

週末はつかの間の休息を…と思っていましたが、買い物や病院、地域社会への貢献と、やはり忙しくなりそうです。